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DeepSeek V4 Flash 0731がARC-AGI-2で61.4%を記録――汎用推論ベンチマークの最新結果を読み解く

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DeepSeek V4 Flash 0731がARC-AGI-2で61.4%を記録――汎用推論ベンチマークの最新結果を読み解く

2026年7月31日、DeepSeekはモデル「DeepSeek V4 Flash 0731」のARC-AGIベンチマーク結果を公開した。ARC-AGI-1(準非公開セット)で最大89.0%、より難易度の高いARC-AGI-2(準非公開セット)で最大61.4%を達成。しかも1タスクあたりのコストはARC-AGI-1が0.02ドル、ARC-AGI-2が0.04ドルという低水準に収まっている。

ARC-AGIとは何か

ARC-AGI(Abstraction and Reasoning Corpus for Artificial General Intelligence)は、AIの汎用推論能力を測る評価指標だ。開発したのはフランソワ・ショレ氏で、「少ない例を見ただけで新しいパターンを理解できるか」を問う問題群で構成されている。

具体的には、色のついたグリッド(マス目)のパターンが数例示され、AIはそのルールを自力で見抜いて未知の問題に答える。丸暗記では解けない設計になっており、「記憶量の多さ」ではなく「考える力」を評価することを意図している。

ARC-AGI-1は初代、ARC-AGI-2はその続編でさらに難易度が上がっている。ARC-AGI-2は2025年に登場し、人間でも平均60〜70%台程度しか解けないとされる難問セットとして知られる。

3段階の推論バリアントと各スコア

DeepSeek V4 Flash 0731は「Max・High・Low」という3段階の推論バリアント(考え方の深さを調節する設定)を持つ。公開された数値は以下のとおりだ。

バリアントARC-AGI-1ARC-AGI-2
Max(最大努力)89.0%61.4%
High87.0%56.0%
Low84.0%46.0%

バリアントを下げるほどスコアは落ちるが、ARC-AGI-1については「Low」でも84.0%を維持している。ARC-AGI-2ではMaxとLowの差が15ポイントを超えており、より難しい問題では推論の深さが結果に大きく影響することが分かる。

コストとスコアの組み合わせが注目される理由

今回の結果で特に関心を集めているのが、スコアの高さとタスク単価の低さが同時に成立している点だ。

ARC-AGI-2(Max)で61.4%を出しつつ、1タスクあたり0.04ドルという数字は、同等の難易度帯のモデルとしては低い部類に入る。高性能なAIモデルを使う場合、APIの利用料金(テキストの処理量に応じて課金される仕組み)はしばしばコストの大きな要因になる。性能と単価のバランスは、実用面での採用しやすさを左右する現実的な指標だ。

「Flash」という名称はDeepSeekが軽量・高速な位置づけのモデルに使う傾向があり、今回のV4 Flash 0731もその系譜にあると見られる。

ARC-AGI-2の61%という数字をどう読むか

ARC-AGI-2は「人間が普通に解ける問題をAIがどこまで解けるか」を問う設計になっており、人間の平均正解率に近い水準が一つの目安とされる。

61.4%という数字は、1年前のARC-AGI-2登場時点では多くのモデルが10〜30%台にとどまっていたことと比べると、急速な向上を示している。一方で、問題によって正解できるかどうかのばらつきが大きく、ARC-AGI-2の120問の公開評価セットでは、Maxバリアントが正解した問題をLowが全く解けなかったケースも複数見られる。「ほぼすべての問題を安定して解ける」段階にはまだ至っていない。

なぜこの結果が注目されるか

DeepSeek V4 Flash 0731の結果が技術コミュニティで広く話題になっている背景には、ARC-AGIという指標への関心そのものの高まりがある。

従来の言語AIの評価は「試験問題を解く」「文章を生成する」といった知識量に依存したものが多かった。ARC-AGIはそれとは異なり、「見たことのないルールを短時間で理解して応用する」という能力を測る。この種の能力がどこまで機械で実現できるかは、AIの汎用性を議論する上で核心的な問いの一つだ。

コストの低いモデルがこの難易度のベンチマークで高いスコアを出すことは、汎用推論をより広い用途に適用できる可能性を示すものとして受け止められている。


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編集部監修

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