【2026年版】ゲームサーバーとAIツールを同じVPSで共存させることは可能?スペックの目安
筆者の結論(最初に読んでください)
はっきり書いておきます。
合計メモリが12GB未満・CPUコアが4未満なら、共存は試みないほうがいい。
「MinecraftとOllamaを同じVPSで動かしたい」という気持ちはよくわかる。自分も同じことを考えた。でも、スワップが発生した瞬間にゲームサーバーのTPSがガタ落ちして、フレンドに「なんかラグい」って言われる未来が見える。正直、その状況になってから「やっぱり分離しよう」と動くのは、フレンドへの申し訳なさもあって地味につらい。
ただ、スペックさえ満たせば共存はちゃんと動く。Dockerでリソースを分離すれば、ゲームとAIが互いに食い合うのを防げる。この記事では、その具体的な方法と「これ以上きつくなったら分離しろ」のサインをまとめた。
やってみたいと思ったなら一度やってみればいい。これが最終回答じゃないから。
共存の可否を決める3つの要素
1. メモリ使用量の合計
ゲームサーバーとAIツールのメモリ需要を足し算するのが基本です。
| ゲームサーバー | 最低メモリ | AIツール(例) | 必要メモリ | 合計目安 |
|---|---|---|---|---|
| Minecraft(10人) | 4GB | Ollama (7Bモデル) | 6GB | 10GB以上 |
| Minecraft(10人) | 4GB | Open WebUI + Whisper | 3GB | 7GB以上 |
| Palworld(4人) | 8GB | llama.cpp (量子化) | 4GB | 12GB以上 |
| Valheim(5人) | 2GB | Ollama (7Bモデル) | 6GB | 8GB以上 |
8GB以下のVPSでは共存は推奨しません。 スワップ発生によりゲームサーバーのTPS(処理速度)が著しく低下します。
正直に言うと、「8GB・共存・ギリいける」と書いてある記事はちょっと信用しづらい。OSのオーバーヘッドとDockerのオーバーヘッドで1〜2GBは普通に消える。実質10GB以上ないと、余裕のある共存は難しい。 8GBで共存を試みるなら「自分一人で実験する分だけ」と割り切った上でどうぞ。フレンドを巻き込む常設サーバーには使わないこと。
2. CPUコア数とスケジューリング
LLM推論はCPUを一時的に100%近くまで使用することがあります。コア数が少ないとゲームのティックレートが落ちます。
自分の経験で言うと、2コアで両方走らせると「AIにリクエスト投げた瞬間にMinecraftのTPSが落ちる」という状況が普通に起きる。体感でわかるレベルでガクッとくる。コアを物理的に分離する cpuset-cpus の設定は、面倒でも絶対にやった方がいい。これをやるかやらないかで、共存の安定度がまるで違う。
# CPU使用率をコア別に確認
htop
# Dockerコンテナにcpuset制限をかける(例:コア0-1をゲームサーバー専用)
docker run --cpuset-cpus="0-1" --name gameserver minecraft-image
docker run --cpuset-cpus="2-3" --name ollama ollama/ollama
3. ストレージI/Oの競合
ゲームのチャンクロードとAIモデルの読み込みが同時に発生するとI/Oボトルネックになります。NVMe SSDを採用しているVPSを選ぶと影響を最小化できます。
これは見落としがちなポイント。Ollamaがモデルをロードするタイミングと、Minecraftが新チャンクを読み書きするタイミングが重なると、どちらも遅くなる。NVMe SSDかどうかはVPS選びの段階で確認しておくこと。スペックページに「SSD」とだけ書いてある場合はNVMeかどうか問い合わせてみた方が確実。
Dockerによるリソース分離の実装
docker-compose.yml でリソース制限
これが共存を成立させるための核心部分。設定しないなら共存させない方がマシ、というくらい重要。「Dockerで動かしてるから大丈夫でしょ」は間違いで、制限をかけないDockerはただのプロセス隔離でしかない。リソースを奪い合う構造は変わらない。
version: "3.9"
services:
gameserver:
image: itzg/minecraft-server
environment:
EULA: "TRUE"
MEMORY: "4G"
ports:
- "25565:25565"
volumes:
- ./minecraft-data:/data
deploy:
resources:
limits:
memory: 5G
cpus: "2.0"
reservations:
memory: 4G
cpus: "1.5"
ollama:
image: ollama/ollama
ports:
- "11434:11434"
volumes:
- ./ollama-models:/root/.ollama
deploy:
resources:
limits:
memory: 7G
cpus: "2.0"
reservations:
memory: 4G
cpus: "1.0"
limits を設定しないと、OllamaがCPUを食い尽くしたときにゲームサーバーが道連れになる。「reservations(予約)」はゲームサーバー側を多めにしておくのがコツ。ゲームはレイテンシに敏感で、AIはちょっと遅くても別に困らない。Ollamaへのリクエストが2〜3秒遅れても誰も怒らないが、Minecraftで1秒のラグが出るとすぐ気づかれる。優先度のつけ方はそういう発想でいい。
起動と確認
# 起動
docker compose up -d
# リソース使用量のリアルタイム監視
docker stats
# コンテナ別のCPU・メモリ確認
docker stats --no-stream --format "table {{.Name}}\t{{.CPUPerc}}\t{{.MemUsage}}"
docker stats は起動後に必ず確認する習慣をつけてほしい。特にAIにリクエストを投げた瞬間のCPUスパイクを見ておくこと。ここでゲームサーバー側のCPUが上限に張り付いてるなら、設定を見直すサイン。「起動して放置」で済ませると、問題が起きたときに何が原因かわからなくなる。
スペック別・共存パターン
| VPSスペック | 想定共存パターン | 可否 | 一言コメント |
|---|---|---|---|
| 4コア/8GB | Minecraft(5人) + Ollama 7B | △ギリギリ | 一人実験なら試してもいい。フレンドを巻き込むならやめとく |
| 8コア/16GB | Minecraft(20人) + Ollama 13B | ○安定 | これが現実的な最低ライン |
| 16コア/32GB | ARK(20人) + Stable Diffusion WebUI | ○余裕 | ただし月額がまぁまぁかかる。コスト計算を先にやること |
| 2コア/4GB | Valheim(3人) + Ollamaなし | ×非推奨 | そもそも共存を考えないこと |
使ってみた感想としては、「4コア/8GB・△ギリギリ」は試す価値はある。でもフレンドを巻き込んで常設サーバーにするなら、8コア/16GB以上から始めた方がトラブルが少ない。自分一人で実験する分なら4コア/8GBで十分。「動くか動かないか自分で確かめたい」という人は、まずそこから始めてみてほしい。
「別々のVPSに分ける」べきタイミング
以下の状況になったら、共存をやめて分離を検討してください。
- ゲームサーバーのTPS(Minecraftであれば20が理想)が15以下に落ちる
- AIリクエスト中にゲームでタイムアウトやkickが発生する
docker statsでメモリ使用率が常時90%超え
これらのサインが出たら「設定で何とかしよう」と粘るより、素直に分離した方が早い。設定を詰めることに時間を使うより、プランを分けた方がストレスがない。ConoHa for GAMEは時間課金なので、小さいプランをもう一本立ち上げてAI専用にするのもコスト的に現実的な選択肢。
ConoHa for GAMEは時間課金なので、用途別に小さいプランを複数立ち上げて使い分けるコスト管理もしやすいです。
体感として、「GPU付きVPSにすれば全部解決」という記事はアフィリエイト報酬の都合で書かれているものも少なくない。GPU VPSは月1〜3万円クラスになることが多い。Stable DiffusionならGPUの恩恵は大きいが、OllamaのLLM推論ならCPUの量子化モデルで十分なケースがほとんど。「GPU積んどけば安心」という方向に誘導する記事は、単価の高いプランを売りたいだけの可能性がある。用途をはっきりさせてから判断してほしい。
共存前提で考えるなら、まず7B・Q4_0で試してみるのが正解。13Bはスペックに余裕が出てから乗り換えればいい。最初から13Bを狙いにいくとメモリが詰まる。「大きいモデルの方が賢いから最初から使いたい」という気持ちはわかるけど、サーバーが不安定になったら本末転倒。段階的に上げていく方が結果的に早く安定する。
はっきり言うと、Dockerなしの共存は「とりあえず動いてる」状態に過ぎない。問題が起きたときに切り分けが難しくなるし、リソース制御が効かないまま運用するのはリスクが高い。Dockerの学習コストは最初だけなので、最初から使うことを勧める。「Dockerよくわからない」という段階でも、docker-compose.ymlをコピーして動かすだけなら難しくない。
まとめ:あなたの使い方で選ぶ
| あなたの状況 | 判断 |
|---|---|
| 一人で試しにやってみたい(Minecraft + Ollama) | 4コア/8GBで試す。ただしモデルは7B・Q4_0に絞る |
| フレンドと常設サーバーを立てたい | 8コア/16GB以上から。共存するなら cpuset 設定必須 |
| ARK・Palworld + Stable Diffusion | 16コア/32GB以上。GPU VPSも視野に入るが月数万になる覚悟を |
| 安定第一で妥協したくない | 最初から分離。ゲーム用・AI用で別VPSを立てる |
| コストを抑えたい | ConoHa for GAMEの時間課金で小さいプランを2本が現実解 |
核心をまとめると:
- 合計メモリ12GB・4コア以上が現実的な最低ライン
- Dockerの
deploy.resources.limitsとcpuset-cpusは必ず設定する docker statsでメモリ使用率が常時90%超えたら分離のサイン- GPU VPSは「AI+ゲーム共存」を魔法のように解決するわけじゃない。コスト計算をちゃんとやること
- 「GPU積もう」と誘導してくる記事は、単価の高いプランを売りたいだけの可能性がある。自分の用途と照らし合わせて冷静に判断してほしい
やってみたいなら、まず試してみてください。これが最終回答じゃないし、スペック不足で動かなかったらプランを上げるか分離すればいい。「うまくいかなかった」は失敗じゃなくて、次の判断材料になるだけ。最初の一歩を踏み出すことの方が大事。
