Devinの代わりになる?OpenDevin / SWE-agentをVPSで動かす構築ガイド
最初に結論を書きます
Devinの月額500ドル(約7.5万円)は、個人や中小チームにはまず払えない。 でも「自律型AIエージェントを使いたい」という需要は本物だし、OpenDevin(OpenHands)とSWE-agentというオープンソースの選択肢は普通に実用レベルに達している。
正直に言うと、精度はDevinに及ばない。SWE-benchの数字を見ればわかる。でも月6,000〜20,000円でDevinの機能の多くが使えるなら、ほとんどのユースケースでは十分すぎる話だと思っている。
あと念のため書いておくと、これらのツールにGPUは一切不要。Claude/GPT-4oのAPIを叩くだけなので、CPUとメモリが確保できるVPSがあればいい。GPU推しの記事を見かけたら少し疑ってほしい。
Devin vs オープンソース比較
| 比較項目 | Devin | OpenDevin | SWE-agent |
|---|---|---|---|
| 月額コスト | $500(約7.5万円) | VPS代+API代のみ | VPS代+API代のみ |
| SWE-bench解決率 | 約45% | 約38% | 約23% |
| セットアップ難易度 | 即時(SaaS) | 中程度(Docker) | 低〜中程度 |
| カスタマイズ性 | 低(ブラックボックス) | 高(OSS) | 高(OSS) |
| 使用LLM | 独自モデル | Claude/GPT-4o選択可 | Claude/GPT-4o選択可 |
SWE-benchでDevinに届かないのは事実。ただ、精度差7%のために月6万円以上払うかどうかという話でもある。自分の場合は払えないので、この比較表を見て即決した。
推奨VPS構成
はっきり書いておきます。OpenDevinにGPUは不要です。
LLM推論はAPI経由(Anthropic / OpenAI のサーバーで処理)なので、手元のVPSでGPUを積む意味がない。GPUオプションを勧めてくる記事はコスト構造を理解していないか、GPU VPSのアフィリエイト報酬が高いかのどちらかだと思っている。
必要なのはCPUとメモリ。これだけ。
| スペック | 最低ライン | 推奨 |
|---|---|---|
| vCPU | 2コア | 4コア以上 |
| RAM | 4GB | 8〜16GB |
| ストレージ | 50GB SSD | 100GB SSD |
| GPU | 不要 | 不要 |
4GBプランで試すのはギリギリすぎる。Dockerコンテナを複数立てると普通にメモリが詰まる。最初から8GBプランを選んだほうが後悔しない。
ConoHa VPSは契約から稼働まで最短10分。8GBプランでDocker運用は普通に動く。
OpenDevin(OpenHands)の構築手順
ステップ1:Docker環境を準備
sudo apt update && sudo apt install -y docker.io docker-compose
sudo usermod -aG docker $USER
newgrp docker # グループ反映
# Docker動作確認
docker run hello-world
このDockerインストール、地味に躓くポイントがある。newgrp dockerを忘れると権限エラーが出るので、一度ログアウト→ログインし直したほうが確実。
ステップ2:OpenHandsをDockerで起動
# ワークスペースディレクトリを作成
mkdir -p ~/openhands-workspace
# 最新版を起動(ANTHROPIC_API_KEYを使用する場合)
docker run -it --rm \
-e SANDBOX_RUNTIME_CONTAINER_IMAGE=docker.all-hands.dev/all-hands-ai/runtime:0.39-nikolaik \
-e WORKSPACE_MOUNT_PATH="$HOME/openhands-workspace" \
-v "$HOME/openhands-workspace:/opt/workspace_base" \
-v /var/run/docker.sock:/var/run/docker.sock \
-p 3000:3000 \
--add-host host.docker.internal:host-gateway \
docker.all-hands.dev/all-hands-ai/openhands:0.39
初回はDockerイメージのダウンロードに数分かかる。VPSの回線速度によっては10分以上かかることもある。焦らず待つ。
ステップ3:WebUIにアクセスして設定
http://YOUR_VPS_IP:3000
ブラウザでアクセスすると設定画面が表示される。
- LLM Provider: Anthropic
- Model: claude-opus-4-5(精度優先)または claude-sonnet-4-5(コスパ優先)
- API Key: Anthropic APIキーを入力
自分の場合、普段のタスクにはsonnet-4-5で十分だった。opus-4-5は確かに賢いが、API料金が跳ね上がる。最初はsonnetで試してから判断することをすすめる。
ステップ4:tmuxで常駐させる
tmux new-session -d -s openhands 'docker run -it --rm \
-e SANDBOX_RUNTIME_CONTAINER_IMAGE=docker.all-hands.dev/all-hands-ai/runtime:0.39-nikolaik \
-e WORKSPACE_MOUNT_PATH=/root/openhands-workspace \
-v /root/openhands-workspace:/opt/workspace_base \
-v /var/run/docker.sock:/var/run/docker.sock \
-p 3000:3000 \
--add-host host.docker.internal:host-gateway \
docker.all-hands.dev/all-hands-ai/openhands:0.39'
echo "OpenHandsがバックグラウンドで起動しました"
tmux attach -t openhands
VPSで動かす最大のメリットがここ。自分のPCを立ち上げっぱなしにしなくていい。PCで動かすとなると、何かあったときにリモートデスクトップで入らなきゃいけないし、結局「手放しで動いてる」感がない。VPSにtmuxで常駐させておけば、スマホからSSHで状況確認できるし、精神的にかなりラク。
SWE-agentの構築手順
SWE-agentはPrincetonが開発したGitHubイシュー自動解決ツール。OpenHandsよりシンプルな構成で、「特定のGitHubイシューを自動で直してほしい」という用途に向いている。
# リポジトリをクローン
git clone https://github.com/princeton-nlp/SWE-agent.git
cd SWE-agent
# Python環境を構築
python3 -m venv .venv
source .venv/bin/activate
pip install -e .
# APIキーを設定
export ANTHROPIC_API_KEY="sk-ant-api03-YOUR-KEY"
export GITHUB_TOKEN="ghp_YOUR_GITHUB_TOKEN"
GitHubイシューを自動解決する
# 特定のGitHubイシューを自動解決
python run.py \
--model_name claude-sonnet-4-5-20251219 \
--data_path "https://github.com/owner/repo/issues/123" \
--config_file config/default_from_url.yaml \
--repo_path /tmp/target-repo
バッチ処理(複数イシューを順次解決)
# イシューURLをリスト化してバッチ実行
cat issues.txt
# https://github.com/myorg/myrepo/issues/1
# https://github.com/myorg/myrepo/issues/2
while read url; do
python run.py \
--model_name claude-sonnet-4-5-20251219 \
--data_path "$url" \
--config_file config/default_from_url.yaml \
>> ~/logs/swe-agent.log 2>&1
done < issues.txt
バッチ処理はVPSとの相性がいい。夜中に回しておいて朝確認するというワークフローが普通に成立する。これはローカルPCでは精神的にやりたくない。
コスト試算(正直バージョン)
【月間コスト例(OpenDevin + ConoHa VPS 8GBプラン)】
VPS料金: 約3,000〜5,000円/月
Anthropic API料金: 使用量による(1タスク約5〜50円)
※1日20タスク×30日 = 約3,000〜30,000円
合計: 約6,000〜35,000円/月
vs Devin: 約75,000円/月(固定)
ぶっちゃけ、ヘビーに使うと月3万円超えることもある。そこは覚悟しておいてほしい。ただそれでもDevinの半額以下。
1タスクあたりの単価で考えると:
- Devin(月75,000円 ÷ 300タスク想定):1タスク約250円
- OpenDevin(Sonnet使用):1タスク約5〜50円
この差は無視できない。
あとAPI料金の上振れリスクについては後述のFAQにも書いたが、Anthropicコンソールで月額上限を必ず設定しておくこと。これをやらないと予想外の請求が来る。
XServer VPSは830円固定プランが地味に強い。毎月の料金を計算したくない人、「いくらかかってるか気にしたくない」という人には固定料金のほうが精神的にラク。ただしOpenDevin用途なら8GBプランが必要になるので、プラン選びは確認してほしい。
よくある質問
まとめ:あなたの使い方で選ぶ
| あなたの状況 | おすすめの選択 | 月額目安 |
|---|---|---|
| Devinを試したいが予算がない | OpenDevin(OpenHands)+ ConoHa VPS 8GB | 6,000〜20,000円 |
| GitHubイシューをバッチで自動解決したい | SWE-agent + VPS(4〜8GB) | 6,000〜15,000円 |
| 料金を気にせず使いたい、精度最優先 | Devin(SaaS) | 約75,000円 |
| とにかく固定料金で管理したい | OpenDevin + XServer VPS(固定プラン) | プラン固定費+API代 |
| まず試すだけでいい | OpenDevin + KAGOYAの14日無料トライアル | 0円(試用期間中) |
KAGOYAの14日無料トライアルは個人的にあり派。14日あれば週末が2回入る。平日は仕事で触れなくても、2回の週末でOpenHandsが自分の用途に合うかどうかの確認は十分できる。
本音を言えば、この記事に書いたことが「最終回答」じゃない。OpenDevinもSWE-agentも開発が早いので、半年後には仕様が変わっている可能性がある。でも「月7.5万払う前にオープンソースを試す」という判断は今も変わらないし、構築の流れもそう変わらないはず。
まずVPS契約して動かしてみてください。「やってみたら思ったより簡単だった」というのが、触ってみた人のだいたいの感想です。